清流コラム 2005/06/26

---ブラックバスを退治できるか---
 外来生物法 17年6月施行
  =特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律=
   

 

【概 要】 環境省によれば、この法律の目的を、「特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止し、生物の多様性の確保、人の生命・身体の保護、農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、国民生活の安定向上に資すること」としており、
 そのために、「問題を引き起こす海外起源の外来生物を特定外来生物として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制し特定外来生物の防除等を行う」こととしています。
 そしてこれに違反した場合の罰則として、1例を挙げると
個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金、 法人の場合1億円以下の罰金などとしています。

 【特定外来魚】 魚種では総称して凡そブラックバスと言っているものですが、指定したものは次の4種です。
 オオクチバス
(Micropterus salmoides :  largemouth bass)   ( フロリダバスを含む)
 コクチバス(Micropterus dolomieu :  smallmouth bass)
 ブルーギル(Lepomis macrochirus :  bluegill)
 チャネルキャットフィッシュIctalurus punctatus  : channel catfish 通称アメリカナマズ)。
   魚種以外のものについては、リンクにある環境省HPをみてください。
   次のBass等写真は原産地USAの T Fishing Site から借用しました。

オオクチバス コクチバス ブルーギル
 

【特 徴】 環境省記載の要約。

オオクチバス

全長30〜50cm。上あごの後端が眼の後縁の直下よりも後方に達する。体側から背にかけて不規則な暗斑がある。腹側は黄味を帯びた白色。湖沼やため池、河川の中下流域に生息する。
北米での報告によると、雌一匹当たりの抱卵数は2,000〜145,000個であり、体サイズの大きな雌ほど多くの卵を産む。

コクチバス

全長30〜50 cm。オオクチバスに似るが、口は小さくて上あごの後端が眼の中央下まで達しない(オオクチバスでは上あごの後端が眼の後端の直下よりも後方に達する)。
湖沼や河川の中下流域に生息する。 低水温に対する耐性が強く、また流水域にも適応できる。 
北米での報告によると、雌1匹当たりの抱卵数は5,000〜14,000個であり、体サイズの大きな雌ほど多くの卵を産む。

ブルーギル

全長25cm。生後約1年目までの幼魚では体形がやや細く、体側には7〜10本の暗色横帯がある。成長するにつれ体高が高くなり体色は濃灰褐色から暗褐色に黒ずみ、横帯はやや不明瞭になってくる。雌雄ともに鰓蓋後端のやや突出した部分の色が濃紺ないし黒である。
湖沼やため池、堀、公園の池などに生息し、湖では主に沿岸帯の水生植物帯に、河川でも主に流れの緩やかな水草帯に生息する。河川の護岸や人工漁礁にもよく集まり、小型魚は小さな隙間のある構造物を、大型魚は大きな隙間のある構造物を好む。
雑食性であり、昆虫類、植物、魚類、貝類、動物プランクトンなどを餌とする。
1回の産卵数は平均的なサイズの個体で21,000〜36,000粒である。

 

【被害の一例】 環境省HPから一部抜載。

オオクチバス

 宮城県鹿島台のため池では、オオクチバスが侵入したあとに、絶滅危惧種のシナイモツゴが確認できなくなっている。また、秋田県の一部のため池ではオオクチバスが個体数や重量で優占し、いくつかの在来魚種の生息が確認できなくなっている。
 ラムサール条約登録湿地の宮城県伊豆沼・内沼では、オオクチバスの侵入・定着後に、希少なゼニタナゴやメダカ、ジュズカケハゼが急減し、いくつかの魚種では全長分布が大型個体に偏るなど、著しい魚類群集構造の変化が確認されている。捕食によるトンボ類への影響も懸念されている。また近年では、その強い捕食圧により生物群集が様々な間接的な影響を受けている可能性も指摘されている。

コクチバス

 長野県の青木湖や野尻湖では、まず、1980年代までにオオクチバスが定着して優占するようになったあと、1990年代に入りコクチバスが優占するようになっており、両種による在来生物相への影響が懸念されている。

 

 

ブルーギル

 滋賀県瀬田月輪大池ではブルーギルが急増した時期にモツゴが激減しており、これはブルーギルによるモツゴの卵・仔稚魚及び成魚の捕食や餌をめぐる競争がモツゴの減少をもたらしたためと推察されている。

 

【ゲリラ放流】 バス問題について一言(担当子)

 通称ブラックバスが急速に全国に拡散分布するようになった。特にオオクチバスについて見ると、1930年代には5県であったものが、60年代に10数県、70年代に20数都府県、今では全国全ての都道府県に蔓延居座っている。この最大の要因は釣人によるゲリラ放流によるとの見方が大勢である。法律でブラックバスやブルーギルの移植放流が禁止されていなかった時代でも、強肉食種の害魚として河川湖沼の生物の生態系を破壊することは指摘されていたし、したがってその移植放流は犯罪的行為であった。更にゲリラ放流には、ルアーフィッシングという都会的(?)現象とそれを取り仕切った関係業界が大きく関わっている。日釣振等関係業界は外来生物法案に対し、或いはオオクチバスの特定外来魚指定に対して、多くのバサーや自派国会議員をも巻き込んだ反対運動を行った。釣人によるゲリラ放流に対しても実証根拠がないなど否定するのに躍起である。
 この法律はバスフィッシング自体を禁止しているわけでもなく、キャッチ&リリースを認めるものになっている。従ってバス退治の実効性には甚だ疑問である。現在も各地でバス釣り大会を開催する関係者およびバス釣り愛好者は、バスブームとバス拡散が符合するように同時進行している事実を厳粛に受け止めなければならない。こうした歩み寄りがない限り幾ら規制してもバス問題は解決できないであろう。

 

【お勧めリンク】 外来生物法が分かる関連サイトです。

 

環境省/自然環境局
 法律の全文や特定外来生物資料あり
  
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

生物多様性研究会
 生物の「種の多様性」について情報提供等している市民団体のHP
  http://www.ne.jp/asahi/iwana-club/smoc/bio-home.html

国立環境研究所
  国内、海外の環境ニュースのINDEXがある   環境サイトや環境用語の検索ができる
 http://www.eic.or.jp/index.html

環境TV.net
 環境問題に関する情報のポータルサイト 環境サイトリンク集充実  

 http://www.kankyotv.net/index.htm

神奈川県内水面試験場
 外来魚について詳しい写真解説がある

 http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/naisui/n_index.asp

日本釣振興会(財)オフィシャルサイト
 ルアーフィシング(バサー)擁護派がバス問題をどう見ているか分かる〜公平のため

 http://www.jsafishing.or.jp/