山女放流河川を公開する理由
山女放流河川の紹介には疑問反対の会員も多い。無茶で無法な釣人によって山女が絶滅し自然が破壊される多くの事例を見てきたし心配するからである。
マスコミの釣り報道にもただ興味本位だけの腹立たしい疑問を感じるものがある。先日も地元新聞が「3年連続の大物ヤマメ」と題して大物かつ大量のヤマメをここの放流河川から釣り上げ
タダタダ自慢する男の記事を掲載した。男と取材記者の馬鹿さ加減は、奥能登に散在する小河川の特殊性が理解出来ないこと、環境への思い遣りが微塵も感じられないことにある。
山女放流河川の公開は、上のような状況を払拭し、ひいては紹介した河川環境を守ろうとする機運が高揚するよう願ってのことである。(写真)河川巡回する珠洲清流愛護会のメンバー
宝立山山系に源流・枝流をもつ主川
等高線のある河川図
珠洲市は能登半島国定公園の海に突き出た北東先端部を占め、気候や地形景観の違いから東南部を内浦、北部を外浦と呼ぶ慣わしがある。
1954年(昭和29年)に3町6村を併合して市制を施し、総面積が約247ku、内浦の飯田町から外浦の大谷町まで半島を県道(主に28号)で
グルリ1周するコースは約50kmあり、大谷トンネルを通る半島横断(国道249号)コースでは20km程である。
また最高峰は471mの宝立山であり宝立山山系の主峰である。北山山系では猫ケ岳(413m)が最大であり300m台級の低い
稜線が外浦海岸に並行して東西に走る。その他は総じて2〜300m台の準台地である。
宝立山山系を分水嶺とする河川が内浦の殆どを占め、北山山系から外海に注ぐ川は誠に細く短い。従って珠洲に散在する川は極端に小さく水量も少ない ということを知ることになる。
河川の特徴
鵜飼川 (脚注 *1)
宝立山山系を分水嶺とし宝立町中央部を流れる珠洲で若山川に次いで大きい川である。水質が良く天然やまめ・あまごが本流支流のあちこちに棲息し、鮎釣り(アユ毛鉤り、友釣り)のメッカでもあった
。しかし中流域5キロメートル程の地点に小屋ダム(ロックフィル式多目的ダム 1992年(平成4年))が造られて本流が遮断された。
それ以降下流域には殆ど魚影が見られなくなった。
ダム洪水吐からの放水量が過少量かつ暗溜水であることが大きな原因と考えられる。以後やまめは本流下流域を除外し上流部と支流、枝流に毎年3,000尾程度を目途に放流する。
<サクラマス放流> 県水面水産センターが、鵜飼川下流にサクラマスの幼魚を放流している。毎年1年半魚約10〜13万尾の試験放流である
(平成5年から)。
回帰してくるサクラマス成魚の遡上を見かけたら、貴重な資料となるので県内水面か当会へ連絡をお願いしたい。
<追記> 県の鵜飼川サクラマス試験放流は平成12年に中断し他の河川に移行した 模様です。小屋ダムによる影響で本流の流水量不足や河川水質悪化がその実態との言伝えがあります。 またダムが造られてからその下流の水域の多くの部分が消失し乾域が増えた。川底もヘドロ化してきてヤマメ等川魚が棲めなくなったばかりでなく、 豊かだった天然アユの遡上が減少しました。その対策だと思われますが行政側が稚アユを若干尾放流していた時期がありました(2002/4付) 。
般若川 (脚注 *2 水質検査)
般若川(ハンニャ 盤若川を充てるのもある)は宝立山山系から分水し宝立町北部を流れる。 小さい川であるが周囲の丘陵に古墳が見つかり水田に縄文土器が出土する昔から良質の川であった。上流に珠洲屈指の景勝曽坊ノ滝(落差13m)があり、 深い滝壷には地やまめが群れていた。
この上流に一般廃棄物埋立処理場が造られた(宝立町春日野地内 1983年 昭和58年)。 これが結果的に問題となる誠に杜撰なものであった。ここから汚水が直接にあるいは地下水となって川に流れ込み汚染が広がった。 残念ながら これまで毎年2〜3袋700尾程度の放流を実施してきたが、平成に入ってから中止している。(上文過去形註)
<激怒> ここは農業灌漑用水にも使用されており、ダイオキシンなどが水稲に影響を及ぼすことが大変懸念される。 囲いのないイイ加減な埋立場を作り地下水を汚染させても半ば平然としている行政(!?)がココにある。私たちは勿論のこと流域地元民が一番痛手を受ける。 本会としても行政側見解や環境調査等の対応を要請しているが … その対応はきわめて不誠実と云わざるをえない。
竹中川
宝立山山系を分水嶺とし上戸町南部を流れる。川口から2キロメートル程のところにある背丈の高い堰が魚止めになって 川魚を遮断する。地鮎の遡上もここで阻む悪魔の堰である。竹中川は支流(清水川)も含めて川石質もよく、 鵜飼川同様に重要な放流ポイントであり、2〜3,000尾を目途に本流、支流、枝流に放流する。
若山川
宝立山山系及び北山山系から飯田町に流れこむ市内最大の川である。どちらかというと本流の釣りは敬遠されてきた川である。川口から5キロメートル程の所で大ゲートがあり、 最上部に農業用水や生活用水を確保するため若山ダムがあることも原因であろうが、本流川底は砂泥岩で生成しており、川虫や苔のつく岩石が少ないからと思われる。上流部と支流、枝流に毎年1,000尾程度目安に放流している。
大谷川
北山山系の猫ケ岳(413m)、見平岳(378m)を分水嶺とする大谷川は外浦地方で最大の河川である。大谷町地内街外れから上流は2本に分流する。
ここには川虫やトンボなどが豊富に棲息すること、典型的な閑散丘地であるため川魚の成育は良好である。
当初地やまめ棲息
については意見が分かれていた。両支流に1000尾を目途に放流する。
ここに名瀑(茗ケ谷川一の滝)がある。
<行政/土木会社へ> 護岸や拡幅工事において川底を平坦にし大小の岩石を取り除けてしま うと、 川魚が身を隠す場所がないため、増水すると忽ち流出する。更に水量が少ない奥能登の河川では、やまめの餌になる川虫やトンボなどが激減する。。大谷川は近年の護岸工事などで再び ヤマメの絶滅の恐れが出ている。。。。。。。
現在は<西部小学校(大谷小学校)児童の皆さん>が地元河川の稚魚放流に積極的に関わり協力下さっている。 小さい頃から環境問題を考え実践して学習することは誠に望ましいことです。本会の設立当初から20年近くは宝立小学校や馬渡小学校に放流のご協力をして頂いていました。
その他の河川
その他の河川にも状況に応じてヤマメ稚魚の試験放流や不定期放流を実施する。これまで該当する河川名を列挙する。平床大地を貫流し長手崎に至る紀ノ川 。北山山系猫ケ岳(413m)を分水嶺とする千谷川。岩倉山山系の河川。金川、折戸川、烏川、舟橋川。山伏山からの支流。
脚注*1 鵜飼川に禁漁区域が設定(通年)県内水面漁業調整規則によると、県内約10河川に川魚などの捕獲禁止区域を設定しているが、鵜飼川も次に引用するように対象になっている。 脚注*2 水質検査データ検査名称 :(般若川上流にある)一般廃棄物埋立処分場ダイオキシン類等調査 |
