特別寄稿
        監督の仕事
    氷見南部中学女子ハンドボール部顧問 光安敦子 
  中学校の部活動に携わって、はや7年がたちました。卒業生が高校や大学、そし て実業団へと進んでいくのは、とてもうれしいことです。中学校時代に果たせなか った夢を持って、さらに大きな目標に向かって旅立っていく選手には、いつも大き な拍手を送っています。  ところが最近、「夢を失った」「目標が無くなった」「ハンドボールをもう続け ることができない」「どうしたらいいんだろう?」と、悩みを相談に来る卒業生が 増えました。志半ばにして「やめたい」なんて、何と情けないことだろうと思いま す。ただ、どんなことが障害になっているんだろうと、よくよく話を聞いてみます と、同じ所に行き着くような気がします。それは、『自分のいる場所が無い』とい うことです。ハンドボールそのものを嫌いになったわけではなく、チームの中にお いて自分の存在が認められていないと感じることで、ヤル気が無くなってしまうと いうことらしいのです。  これら卒業生の悩みを聞いて私は、監督の仕事っていったいなんだろうと考えま した。そして、私は監督の仕事には3つあるのではないかと考えました。こんなこ とはもうとっくに何かの本に出ていることと思います。しかし、監督になって7年 たった今、私が考えたことを少しまとめてみたいと思います。      監督の仕事 @ハンドボールの専門性に優れること  ハンドボールに必要な技術・戦術・体力といった専門的な知識を持っていること  は、とても大切なことだと思います。もちろん、自分ができることに越したこと  はないと思いますが、とにかく、ハンドボールを良く知っているということは大  切 なことだと思います。 A目的を達成するための練習計画を立てること  選手が、技術・戦術・体力を身につけていくためには、どういう風に練習計画を  立てれば良いのかということです。もちろん、細かく言えば練習内容や練習方法  もこの中に入ると思います。何も知らなかった、あるいは、できなかった選手を  立派な選手に育て上げていくことが、監督の醍醐味ではないかと思います。 B選手をヤル気にさせること  目標を達成するために突き進む、強い心を育てることも監督の仕事ではないかと  思います。この練習がどんな意味を持っているのか、今自分はどの位置にいるの  か、選手に納得させながら、選手が目標をしっかり持って取り組めるようにする  事、つまり、目的意識を持たせることが大切だと思います。また、仲間やハンド  ボールに取り組める環境に感謝することを教えることも、大切な仕事であるよう  に思います。  目標に向かって燃える心があれば、そして、ともに語り合える仲間がいれば、ど  んな苦しいことも乗り越えられるのではないかと思います。  このようなことを書きながら、私自身がもっともっと勉強しなければ、と反省してい る次第です。   監督や指導者のみなさん、かわいい生徒達の為に、ともに頑張りましょう。